第二新卒


       


      大手ITコンサルティングファームの現役ITコンサルタントに聞く 『IT業界の本音』

             IT業界について裏も表も全て語ります。「ITって何?」、「プログラマーってどんな仕事?」
             などの初歩的な質問~実際IT業界で働いているんですが「ITコンサルタントになる為には今何をすべきか?」
             、「次の転職では開発、上流工程の仕事がしたいけど・・・」と具体的な質問までITについて本音で語ります!


                                            

IT業界への質問


Q: IT業界が7Kってホントですか?


7Kというのは、

・きつい
・厳しい
・帰れない
・規則が厳しい
・休暇が取れない
・化粧がのらない
・結婚できない

という意味です。

IT業界が7Kだという噂が世間に大きく広まったのは、昨年秋のIPAフォーラム2007での出来事に拠るところが大きいのかもしれません。

カンタンに説明すると、このフォーラムに参加した学生から「IT業界は7Kというイメージを持っている」という発言があり、それに対してIT業界の重鎮とも言える大手SIerの役員レベルの人間が誤った回答をするシーンがありました。詳しくは、当時私がCNET Japanのブログに掲載したエントリーがあ
るので、そちらをご覧下さい。

【IT業界を不人気にした重鎮たちの大罪】
http://japan.cnet.com/blog/0040/today/2007/11/02/entry_25000892/

検索エンジンで「IT業界、7k」というキーワードで調べると、大体これに関するものがヒットします。


さて、IT業界が7Kに該当するか否かですが、全てがその通りであるかといえば、決してそんなことはありません。当たり前の話ですが、割り当てられる職務内容によって大きく左右されます。

例えば、「きつい・厳しい・帰れない」について。

クライアントへの提案活動を行う場合、特に期限も決めずに定期的に話し合いを行うことで進める場合と、公表されている要件(RFP:Request For Proposal)に対して期限以内に提案書を作成する場合では、忙しさがまったく違います。前者で
は毎日19時に帰ることが可能ですが、後者では早くても20時、遅くなれば終電を逃すということもままあります。


しかし、これは他の業界・職種でも同じです。耳鼻科を持つ病院では花粉症がピークになる間(3ヶ月近く)終電でも帰れないほどの仕事が発生しますし、決算を迎えた会社の経理部では財務諸表作成のために1ヶ月以上毎日終電になることも珍しくありません。

また、「規則が厳しい」というのも一部分の職務についてのみです。クライアントの顧客データに直接触れているシステムの運用、社内機密文書を扱っているプロジェクト、そういった仕事に関わっている場合にはUSBメモリ・SDカードなどの持込を禁止したり、プロジェクトから離任する際にデータ削除が求められることがありますが、これもIT業界に限った話ではありません。

「休暇が取れない・化粧がのらない・結婚できない」というのも同様です。忙しすぎて時間が無い、化粧がのらないほど疲れが溜まるというのは職務によってケースバイケースであることは前述しました。出会いが期待できないくらい女性が少ないから結婚できないというのは、職場内恋愛・結婚が比較的難しいだけであって、合コンなど外部での出会いを求めれば解決することです。


「IT業界の7K」とは一部の職務に携わる人から発せられたものであり、それを聞いて「とても大変な業界に違いない」というその他の人々の思い込みがキーワードとなって一人歩きしているといえます。学生の就職ランキングで常に上位にランクインする旅行業界・商社であってもIT業界と同等以上に忙しいのですから、額面どおりに受け取って戦々恐々とする必要は無いでしょう。





Q:
「吉澤様 はじめまして!私は大学を卒業したばかりの者ですが
 将来的に専門的スキルを身につけたいと思っています。
 先日、転職エージェントに相談に行ったら PG、SEを薦められました。
 PG、SEは確かに専門性のスキルを身につけられそうだとは
 思うのですが 仕事の面白味って どんな所ですか?」





PG(プログラマ)とSE(システムエンジニア)の仕事に感じる面白みは人によって様々ですが、私なら、「様々な会社の中に入り込んでカルチャーを感じられること」を挙げます。

IT業界の仕事はプロジェクト単位で行うものが多く、多くのPGやSEは複数のプロジェクトを経験しながら成長することになります。一般的に、プロジェクトが変わるとクライアントも変わりますから、これは複数のクライアントのカルチャーに触れる機会が多いということでもあります。

例えば、トヨタに入社した人はずっとトヨタの空気(カルチャー)の中で仕事をすることでしょう。しかし、富士通に入社して自動車部門のSEになれば、トヨタのプロジェクトに参加することもあれば、日産のプロジェクトに加わることもあります。もしかしたらフォードやクライスラーのプロジェクトに参加できるかもしれません。もしくは、製造業という枠組みであれば、三菱重工や新日鉄というクライアントのプロジェクトに入ることもあり得ます。

※具体的なイメージを持ってもらいたいので、いくつか実在の社名を挙げていますが、富士通社にそのようなプロジェクトが実際にあるというわけではありません。まあいくつかは実在するでしょうけど
:-P

クライアントごとにカルチャー(企業理念・文化・風土)が異なりますから、A社での常識はB社での非常識にあたるというケースも散見しますね。

システムに問題が生じてITサービスが止まってしまった場合、普通は「障害」と表現しますが、NTT系列の会社では差別的表現であるとして「故障」という表現を使います。これはカルチャーギャップの典型例でしょう。

他にも、新興企業と老舗企業では意思決定のスピードの違いを顕著に感じることが多いですし、公共サービスに近い業務を担うクライアントであれば、官公庁とのネゴシエーションも発生するという具合に、本当に色々なカルチャーがあるのだと実感します。

ゆえに、私はプロジェクトが変わることを擬似的な転職と捉えています。プロジェクトを多く経験している人は総じて考えが深く、より客観的な視点で物事を判断できます。

PG・SEのそんなエキサイティングなところが私は好きです。




Q:
   はじめまして。私は大学卒業後販売職を2年やって今、IT業界へ
   の転職活動をしています。

   IT企業を何社か受けているのですが、なかなか内定がもらえませ
   ん。未経験の文系出身者なんですが(現在24歳です。)

   プログラマーとして働くにはどのような素養が必要な物ですか?
   どのような人材が好まれるのでしょうか?





 以前のブログでIT、特にシステム開発を手がけるSI企業が求める人
 物像を述べたことがありました。

 (IT業界がダメな理由を学生の視点から考える)
  → http://it-ura.seesaa.net/article/64564359.html


 単刀直入に言ってしまうと、IT企業が求めているのはシステムエンジニ
 アやコンサルタントとして顧客とコミュニケーションをすることが人材
 なのです。

 たしかにプログラミングを武器としている企業もありますが、そういっ
 た企業は即戦力を求める傾向が高く、IT経験の不足している人材を養う
 余裕はまずないでしょう。

 転職者であればなおさらです。

 これも以前のエントリーで書いたことですが、外の世界からIT業界に興
 味を持った方は一度読んでみてください。


 ・ITを用いて何か革新的なことに取り組みたいなら、小規模でエッジな
  存在のベンダーを目指してください。大手ベンダーに買収されない限
  り、きっとあなたの知的欲求を満たす仕事があるでしょう。

 ・何となく大きな仕事を手掛けたいと思うなら、大手SIerで管理職クラ
  スまで頑張ってください。二桁億以上の大規模案件をマネジメントす
  る機会が回ってきます。ただし、創造性よりも管理技術が問われる領
  域です。

 ・顧客の業務を考える仕事がしたいなら、コンサルファームで3年頑張っ
  て下さい。これくらいの年次になれば一人で顧客業務を考える仕事が
  回ってきます。クライアントの企画関連部署に転職するときには気を
  つけてください。社内の政治圧力でむしろ不自由になったということ
  はあり得ることです。

 ・個人のプログラミングパワーを武器に業界を渡り歩きたいなら、まず
  は大手SIerやコンサルファームで方法論を学んだ後、自分が望む方面
  のエッジな企業に転職することを心掛けてください。新しいことを始
  めるなら、まずは既存の方法論を知ることも必要ですし、何よりこう
  いった全体論をしっかり学ばせるような体力を大半の小規模企業は持
  ち合わせていません。


 今回の相談者の方には4つ目のプログラミングパワーを武器に業界を渡
 り歩く方法を実践するのが王道だと考えます。

 では大手SIerやコンサルファームに入るにはどうすれば良いでしょう。

 最初に述べたとおり、SIerやコンサルファームはコミュニケーション能
 力の高い人材を常に求めています。

 コミュニケーション能力とは、相手の発言の意図を理解し、自分の発言
 の意図を正しく伝えることです。"伝える"という行為には、相手を納
 得させるという交渉術も含まれます。

 一朝一夕で身に付くスキルではありませんが、訓練を繰り返すことで一
 定のレベルに達することは難しくありません。

 今はこういったことを学べる書籍や勉強会がたくさんありますし、転職
 コンサルタントに相談してもいいでしょう。まずは客観的に自分のコミ
 ュニケーション能力を見つめてみることです。

 プログラミングの話は内定をもらってから取り組んでも全然遅くないで
 すよ。まさに急がば回れということです。













名前 吉澤準特
自己紹介 現在、外資系のコンサルティングファームでテクノロジーを
中心に色々なプロジェクトに関わっています。とりわけ、
システムのインフラストラクチャを中心に取り組んでいます。
2007年2月末、秀和システムより 
「図解入門ビジネス 最新会議運営の基本と実践がよ~くわかる本」 
を出版しました。会議の進め方で困っている方、進め方に疑問を
感じている方、効率的なファシリテーションを知りたい方に最適の
内容になっています。これまでの会議関連の書籍には無かった
視点をいくつも盛り込んでおり、議事録についても相当手厚く解説
しております。

【 ブログ 】(IT業界の裏話)
         http://it-ura.seesaa.net/
       (インフラコンサルティングの最前線)
        ※ブログアワード準グランプリ獲得!

【 著 書 】「最新会議運営の基本と実践がよ~くわかる本」
        出版社:秀和システム
         

http://it-ura.up.seesaa.net/item/20070301_publish.htm


           

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